はじめに
皆さま、お久しぶりです。随分前回の投稿から時間が経っており驚いています(笑)。今年も色々ありましたが、もうすぐで終わりですね。このブログも再開していこうかと思います。
今回は最近読んだ書籍の紹介となります。
書籍紹介「アルゴリズム取引の正体」
私は元々エンジニアということもあり、システムトレードとか、アルゴリズムトレードに非常に興味があります。ちょうど最近、興味深い書籍が出たのでご紹介です。タイトルは、「アルゴリズム取引の正体」というものです。
この手の書籍だとパンローリングさんが非常に有名ですが、別の出版社さんなんですね。日本の出版社からというのも結構めずらしいなと思います。この手は米国が圧倒的に充実しており、日本ではまだまだマイナーです。
目次
書籍の目次は以下の通りです。
- 第1章 アルゴリズム取引とは
- 第2章 アルゴリズム取引の市場環境
- 第3章 市場取引におけるリターン、リスク、コスト、流動性
- 第4章 アルゴリズム取引概論
- 第5章 アルゴリズム取引戦略
- 第6章 HFT:高頻度取引
- 第7章 外国為替取引におけるアルゴリズム取引
- 第8章 アルゴリズム取引の環境の変化と投資家の取組み
よく、シストレ(システムトレード)、アルゴリズムトレード、最近の仮想通貨界隈ではBotトレードとか言われています。内容としては、すべて事前に策定したルール(アルゴリズム)に従って、システムが機械的に売買を実施していく手法ですね。
この書籍では、アルゴリズムトレードをする上で考える必要がある項目や、一般的に利用されている手法が幅広く解説されています。
この書籍の目次の中で、皆さんが興味あるのが4章・5章かと思います。まさに前述した部分が記載された内容です。今回は4章・5章に絞って、感想を述べていこうと思います。
4章・5章の所感
4章の「アルゴリズム取引概論」では、アルゴリズム戦略の分類ごとに紹介されています。
よく知られている「裁定アルゴリズム」や、「ディレクショナル・アルゴリズム」の他に、「執行アルゴリズム」や「マーケットメイキングアルゴリズム」、「ベンチマーク執行アルゴリズム」などが紹介されています。
ディレクショナル・アルゴリズムとは、株価の値上がりや値下がりを予測して売買するアルゴリズムです。なので、多くの方が一般的に思うアルゴリズムがこれにあたります。
マーケットメイキングアルゴリズムは、市場に流動性を提供して利益を上げるアルゴリズムです。例えば、同時に90円で買い注文、110円で売り注文を出して両方約定したら20円分の鞘どりができるというものですね。他にも取引所によっては流動性を提供する人にインセンティブを与えるところもあるので、その手数料を目的とするアルゴリズムもあります。
最近では、仮想通貨のBotトレーディングでマーケットメイキングアルゴリズムのBOTが利益を上げていると話題になりましたね。Twitrterでも活発に議論がされていたりします。特に、この方のブログは非常にためになりますので是非一度読んでみると良いかと思います。
5章の「アルゴリズム取引戦略」は、4章で紹介した各アルゴリズムの理論を解説しています。説明も非常に丁寧で、1つ1つ板情報の移り変わりを示しながらどのようにトレードが進んでいくかを解説してくれています。
一方で、ある程度システムトレードに理解がある方の場合は「すでに知っているよ」という内容が多いかもしれません。初心者や、システムトレードにはあまり詳しくないという方が、俯瞰的に仕組みやどのような手法があるかの基礎的知識を身に着けるための書籍として有用かなと思います。
まとめ
元々、システムトレードをやっている人も、これからやってみようと思っている人も体系的に広く浅く学ぶことができる良書かなと思います。何より、このような書籍が日本国内から出版されたのが嬉しく思います。皆さも、自動取引、アルゴリズム取引に挑戦してみてはいかがでしょうか。自動取引のメリットや、もちろんデメリットもいつか記事にしてみたいと思います。